自転車保険の「義務化」、入らないとダメ? 実はもう入っているかも
※本記事は2026年9月時点の一般的な情報です。
そもそも「自転車保険の義務化」ってなに?
義務化されているのは、正式には「自転車損害賠償責任保険等」と呼ばれるものです。むずかしく聞こえますが、中身はシンプル。自転車で他人にケガをさせたり、物を壊したりして「弁償(賠償)」が必要になったときのための保険です。
ここで大事なのは、義務の対象が「相手への賠償」だという点。自分がころんでケガをしたときの治療費(自分の補償)は、義務化の対象ではありません。まずはこの区別を押さえておくと、保険選びで迷いにくくなります。
どのくらいの地域が義務化しているの?
国土交通省の集計(令和6年4月1日現在)では、34都府県が条例で「加入の義務化」、10道県が「努力義務(なるべく入りましょう)」としています。最初に義務化したのは2015年の兵庫県で、そこから全国へと広がってきました。なお富山県は、2026年10月1日から努力義務が義務に変わります。
注意したいのは、住んでいる場所だけでなく、自転車で走る場所のルールも関わること。たとえば隣の都府県へ通勤・通学で自転車に乗るなら、その地域の条例も気にしておくと安心です。対象になりやすいのは、次のような方です。
- その地域で自転車に乗る人(住んでいる人・通勤通学で来る人など)
- 未成年の子どもが乗る場合は、保護者の方
- 仕事で自転車を使う事業者、レンタサイクルの事業者 など
入っていないと罰則はあるの?
多くの条例には、「入っていないと罰金」といった罰則は定められていません。とはいえ「罰則がない=備えなくてよい」ではありません。もし自分が加害者になってしまうと、賠償はすべて自己負担。過去には、自転車事故で約9,500万円もの高額な賠償を命じる判決が出た例もあります。だからこそ、各地で“義務”として加入をうながしているのです。
あわてて入る前に──「もう入っているかも」を確認
ここが今日いちばんお伝えしたいところです。相手への賠償の備えは、「個人賠償責任保険(特約)」という形で、すでにお持ちの保険に付いていることがよくあります。下の図のように、自動車保険・火災保険・傷害保険・クレジットカードなどにセットされているケースが多く、しかもご家族みんなが対象になるのが一般的です。
つまり、義務化の条件はすでに満たしているのに、知らずにもう一本入ってしまう──ということが起こりがちなのです。複数の保険に同じ補償が付いていても、賠償金が二重に支払われるわけではないため、保険料がムダになってしまうこともあります(くわしくは「補償の重複」の記事もご覧ください)。
- 義務化されているのは“相手への賠償”を補う保険(自分のケガの補償は義務ではない)
- 国土交通省の集計(令和6年4月1日現在)で34都府県が義務・10道県が努力義務(国土交通省)。多くは罰則なし
- 自動車保険・火災保険などの「個人賠償責任」特約ですでにカバー済みのことも多い
- 新規加入の前に証券を確認。重複していないか・補償が足りているかをチェック
※本記事は2026年9月時点の一般的な情報提供です(最終更新: 2026-09-19/国交省の集計基準日を訂正し、富山県の2026年10月義務化を追記)。義務化の状況や条例の内容はお住まいの地域・時期により異なります。補償内容やご加入の判断は、各保険会社の契約概要・重要事項説明書等を必ずご確認ください。
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