保険の「転換(下取り)」ってなに? すすめられたら確認したい3つのこと
「転換」ってどういうこと? 今の契約を“下取り”して入り直す
転換とは、今入っている生命保険の積立部分や積立配当金を「転換(下取り)価格」として、新しい契約の一部にあてる見直しの方法です。ゼロから入り直すより保険料の負担を抑えながら、保障の中身を今の暮らしに合わせて組み替えられます。
ここでいう「積立部分」は、貯蓄性のある保険でこれまでにたまってきたお金の部分のこと。それを頭金のように使う、とイメージするとわかりやすいかもしれません。大事なポイントは2つ。使えるのは同じ保険会社の中だけで、もとの契約は原則なくなり、新しい契約に切り替わるということです。
「解約して入り直す」とどう違う? 見直しの方法はいくつかある
加入中の保険を見直す方法は、転換だけではありません。大きく分けると、次のような選択肢があります。
- 保障を増やす:今の契約はそのままに新しく契約を追加する/特約をあとから付け足す/転換で組み替える
- 保険料の負担を軽くする:保障額を減らす(減額)/保険料の払い込みを止めて保障を続ける(払済保険・延長保険)
この中でも転換は、今の契約を土台にして、まるごと組み替える方法です。だからこそ、今の契約のよいところ(とくに貯蓄性や予定利率)を手放すことにならないか、決める前に確かめておきたいのです。
転換をすすめられたら、確認したい3つのこと
① 予定利率は下がらない?(保険料と貯蓄性)
保険料は転換するときの年齢と保険料率で計算し直されます。契約したのが昔で予定利率(保険会社が運用であらかじめ見込む利回りのようなもの)が高かった場合、今の低い予定利率で組み直すと、保険料が上がったり、貯蓄性が下がったりすることがあります。予定利率は保険会社に確認できます。まずはここを聞いてみましょう。
② 積立部分や払込期間はどうなる?
貯蓄性のある保険から保障中心の保険へ組み替えると、保障は手厚くなっても積立部分(たまっていたお金)の割合が減ることがあります。また「60歳まで払う」契約から「一生涯払う」契約に変わると、毎月の保険料は下がっても、生涯で払う総額はかえって増える場合もあります。月々の金額だけでなく、“いつまで・いくら払うのか”も見ておきたいところです。
③ もう一度、健康状態の告知が必要
転換は新しく契約し直すのと同じで、あらためて告知(健康状態や病歴を保険会社に正しく伝えること)が必要です。今の健康状態によっては、希望どおりの保障に入れないこともあります。そしていったん転換すると、もとの契約には原則戻せません。「やっぱり元に戻したい」と思っても取り返しがつきにくい、いちばん慎重になりたい点です。
- 今の契約の積立部分を活かせる(下取り)
- 入り直すより保険料の負担を抑えて組み替えられる
- 手続きが一度で済む
- 予定利率が下がり、保険料が上がる・貯蓄性が減ることがある
- 積立部分の割合が減ることがある
- もとの契約には原則戻せない
- あらためて健康状態の告知が必要
保険会社には「新旧を見比べる説明」の義務があります
保険会社が転換をすすめるときは、重要事項説明書面を渡して説明する義務があります。そこには、転換の前後で契約の中身がどう変わるか、予定利率が下がるならその影響、転換以外の方法(追加契約や特約の付け足しなど)の説明が含まれます。
だから、「新しい契約と今の契約を、並べて見比べさせてください」と遠慮なく伝えて大丈夫です。急いで決める必要はありません。中立の立場で新旧を見比べてくれる窓口に相談するのも、一つの方法です。
- 予定利率は下がらないか(保険料・貯蓄性)
- 積立部分・払込期間はどう変わるか
- あらためての告知と、もう戻せないこと
出典
- 公益財団法人 生命保険文化センター「転換制度|保障内容の変更と対応方法」
https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/change/101.html - 公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険の契約にあたっての手引(見直し方法と留意点)」
https://www.jili.or.jp/tebiki/chapter3.html - 知るぽると(金融広報中央委員会)「生命保険を見直す(転換は慎重に)」
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/seiho/seiho6_01.html
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供です。転換の可否や条件、予定利率、税務上の取り扱いは、保険会社・商品・契約時期によって異なります。実際のご加入やお見直しのご判断は、各保険会社の契約概要・重要事項説明書面等を必ずご確認ください。
「転換をすすめられたけれど、これでいいのかな」。そんなときは、どちらかを勧める前に、今の契約と新しい提案を並べて、一つずつ一緒に見比べるところから始めます。手放すと惜しい部分がないか、フラットに確認するお手伝いをします。